7716リビング(実家)

群馬在住、30代主婦の日々のあれこれ

1月2週目 面白かった本2冊ご紹介

アラサー主婦の備忘録(ヤマもオチもありません)

1月7日~1月13日 今週の出来事

 

慌ただしい年末年始が終わり、子どもの学校も始まり、すっかり通常営業になりました。

私自身も朝から夕方まで仕事、帰ったら飯、風呂、寝る。休みの日はダラダラ。と大したトピックスもない一週間だったので、今週読んで面白かった本を2冊ご紹介します。

 

『もうレシピ本はいらない』

もうレシピ本はいらない 人生を救う最強の食卓

書き手の情熱がビシバシ伝わってくる本て、読んでいて心地いいですよね。

「これが好きなんだ!」「みんなに伝えたいんだ!」

みたいなのが、端々から溢れ出ているような本。

こちらも、そんなほとばしる熱いパトスを感じる本でした。

 

著者は稲垣えみ子さん。

50歳で朝日新聞という大手の仕事を捨て、冷蔵庫も捨て、ひとり気ままに生活している方です。

みんなが当たり前に持っているものを捨てて、最低限で生活している稲垣さんなのですが、その暮らしは豊かという表現がぴったりで。

『これがないと困る』と色んなものにしがみついている私から見たら、なんと素敵なんだろうと思いました。

冷蔵庫がないので、買い物は食べ切れるものだけ、野菜はベランダなどに干しておく。

炊飯器もないので、ご飯はまとめて土鍋で炊いておひつに入れておく。

調味料は味噌と醤油があればOK。

一見不便で足りないものだらけに感じるその暮らしは発見に満ちていて、楽しそうで、美味しそうで!

読みながらあー、めっちゃいいなあ~この人好きだな~と思って、図書館で他の著書も借りてきました。

寂しい生活

こちらは食事だけでなく、今の生活を始めたきっかけ、いかに電気を使わないで生活するかなども書かれていて、これまた面白いです。

 

私達は、『裕福はいい』『貧乏は悪い』と計りがちですが、持っているか、持っていないかなんて幸せにはなんの関係もないんじゃないかと感じました。

豪華な家や車もいい。でも、ただ旬の野菜が安く美味しく食べられるとか、太陽の陽射しが暖かくて心地よい。それだってすごく豊かなことで。

本当に私たちに必要なのは、何かを足し算することじゃなくて、余計な価値観や思い込みや不安を引いて、削ぎ落としていくことだよな、としみじみ思う本でした。

で、それって心屋でも聞いたことなんだよなー。

 

料理本だけに収まらない、心にも効く本でした。おすすめです。

読後には厚揚げを買って、大根を干したくなること請け合いですぞ。  

 

 

『ぼぎわんが、来る』

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)

公開中の『来る』という映画の原作本です。 

予告をテレビで見て、すごく面白そうで興味を持ったのですが、私はホラーやびっくり系の映画がとても苦手でですね…

映画館で見たら死んでしまいそうなので、とりあえず本を読もうと思いまして、図書館で予約しました。

順番を待つ間、『映画より原作の方が怖い』というクチコミを読んでしまったりして、「これ読まない方がいいんじゃないか」「トイレ行けなくなるんじゃないか」「我慢しすぎて膀胱炎になるんじゃないか」と心配になりましたが、好奇心に抗えず読みました。

怖くはなかったです。

むしろ教訓を得られるような、読み応えのある人間ドラマでした。

 

何が怖い、怖くないは、個人差があると思うのですが、ぼぎわんは、田舎に伝わる妖怪みたいなもので。

お母ちゃんが、

「早く寝ないとぼぎわんが来るよ!」

みたいに使う系の存在です。

私は妖怪にはあまり馴染みがなくて、ゲゲゲの鬼太郎とか妖怪人間ベムとか妖怪ウォッチとか、『まあ妖怪にも色々事情があるよね』と、お化けの中でも優しい方というイメージがあります。

でも田舎育ちで「悪いことしたらそいつが来て山に連れていかれる」みたいに育てられていたら、『それがマジで来ちゃう』今作はとても怖いと思います。

 

今作で、ぼぎわんが来ちゃうお宅は、イクメンパパと可愛い娘がいて一見幸せ家族に見えるけれど、その実はイクメンアピールしたいだけのクソ夫と、それに辟易している育児ノイローゼな妻』

話が3章に分かれていまして、イクメン夫、育児ノイローゼ妻、その一家を取材&助けようとするオカルトライターをそれぞれ主人公にして進んでいきます。

面白いのが、夫の一人称と、妻の一人称から見る生活が、同じ出来事を見ていても全然違うこと。

小説ならではの叙述トリックっていうんですか。

夫はよかれと思ってやってるけど、奥さんは(・д・)チッて思ってる的な。

うちの旦那は育児に無関心でもなかったけどイクメンとは程遠かったし、私もそういうのは求めていなかったので育児のことでモメたことはほとんどないんですが、教育熱心な父とか、イクメンとか奥さんと絶対こういう軋轢あんだろーなー!もー、絶対イクメンブームに迷惑被ってる奥さんいるだろーなー! と思いながら読みました。

 

あと、一貫したテーマとして、『我慢ヨクナイ』というのがありまして。

「私だけが我慢すればこの場は丸く収まるのよ」

というのは一見優しさではありますが、逃げであり、我慢したものや嫌な気持ちは消えるものでは無いから、それは溜まり溜まって憎しみになり、憎悪になり…

そんな歪みが、連中を引き寄せてしまう。

ぼぎわんが、来ちゃう。

というのは「ほんとそれな」と心から思いました。

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ほんとみんな我慢やめよーな、後でモヤモヤして勘ぐって、相手のことも自分のことも嫌いになるだけだから。

「ん?」て思ったら言おうね。

合言葉は「空気悪くしてもイー!」だよ!

 

というように、ぼぎわんコエーよりも、「わかるわあ」過ぎる『ぼぎわんが、来る』でした。

映画はもっとエンタメ的な演出っぽくて、全国各地から霊媒師が集まる!とか、ベテラン霊媒師役の柴田理恵や、松たか子の見た目もかっこいい霊媒師とか面白そうです。

DVDなら、目を逸らしつつ、布団に隠れつつ見られるので、レンタル始まったらぜひ見たいと思います。